今日まで、 明日から (携帯用)

 

 

はるくん が

バネさん に 変わったのは

いつからだったろう。

 

 

あぁ、そういえばアイツが小6の初めのとき。

中学に上がった俺らは、サエが はる から バネ って呼びだしてた。

それを初めて聞いたアイツはすごくびっくりした顔で、そのあとちょっと下を向いて、小さな声で

 

何かカッコイイ。

 

て言ったんだった。

俺は笑って、柄にもなく年の差を感じてるみたいなアイツの頭をぐりぐりなでて、

 

バーカ、俺はカッコいーんだよ!

 

っつって、

 

おまえも呼びたきゃ、好きなよーに呼べよ

 

って言ったら、

アイツはちょっと俺を見上げて、真新しい学ランをじっと見て、それから自分の肩に引っ掛かってる痛みまくったランドセルの肩ベルトを握って、

 

……まだ、いい。 はるくん・で、いい。

 

とてもいいとは思えない声でそう言ってた。

背伸びしたい気持ちとこのままでいたい心と追いついて並びたい寂しさ。

そんなんが全部ごっちゃになってるのがまるっきり顔に出てるから、俺はいつもみたくがしっと肩を組んで

 

よし!じゃーお前が俺をバネって呼ぶよーになったらお前のあだ名も考えねーとな、ヒカル!

 

って組んだ腕に体重かけてのしかかってやったら、

 

えっマジで!?

 

ちょっと目を輝かせてるから俺は更に可笑しくなってアイツのあちこち向いたくせっ毛をわしゃわしゃかき混ぜてやったんだっけ。

 

おうマジで!そんで今度は剣太郎を驚かせてやろーぜ!

 

おー!それいい!カッコイーの考えてくれよはるくん!

 

超笑顔で肩を組み返してくるアイツはもう完ペキにいつものテンション。

俺たちはいつもと同じに、春休みの前と同じように騒いでふざけて、笑って、がっつり寄り道しながら家に帰った。

 

変わらない俺らでも、少し変わっていくところ。

些細な変化は無いも同じ。

これから何か変わっても、 友達・仲間・先輩後輩 そこにカテゴリーが増えていくだけだから。

 

 

一年前に初めて見た、校門の前の看板。

紙の花で縁取られた「入学式」の文字の向こう。

まとまりのないくせっ毛を揺らして走ってくるアイツを、

俺は春休みと同じ笑顔で迎えた。

 

 

END

 

 

初書きのバネさんでーす。バネさんとダビくんです。私は世に逆らい、バネダビ派ですが…コレはそのニュアンスがないのでどなたでもお召し上がりになれるかと思います()

六角っ子達の関係がすごく好きです。変わらないで欲しいなぁ♪タイトルは立海ミュの歌からチョイスしてアレンジ☆歌もタイトルも好きでございますー(^U^*)